痛みは人にとって必要?
誰にでも一度は、ドアに指を挟んだり、画びょうを踏んだりして「痛い」と感じた経験があると思います。ご存知の通り、痛みはとても不快でいやな感覚です。誰しも、「痛みなんてなければいいのに」と思ったことがあるでしょう。しかし痛みは本当に不必要なものなのでしょうか?本来、痛みには警告信号としての役割があります。そのため、体が危険に冒されたとき、人は危険があるからこそ危険を察知し、危険から逃れることが出来ます。
実際に先天的に痛みを感じない先天性無痛症という病気がありますが、この病気の人は痛みを感じないため、ケガをしても気が付きません。そのため、手足が壊死(細胞が死滅し、部分的に腐ってしまう状態)を起こして致命的な障害を負うこともあります。
この意味で、痛みは身体を守るために大切なシステムなのです。
一方、ドアに指を挟んだ時など、痛みがあると人はその痛みから逃れようと無意識に身体が反応します。
このような現象は逃避反射と呼ばれ、ナメクジウオのような下等動物でも備わっている大切な反応です。痛みで危険を知らせるのと同時に、無意識にその危険から逃れようとする機構が備わっているみたいです。
ただし、危険信号としての役割があるのは急性痛だけであり、慢性痛には警告信号としての役割はあまりありません。痛みは警告信号ですが、むやみに長く存在する必要はないのです。
「痛みが出たら原因を見つけ、回避し、警告信号が終われば、痛みを止める」これが痛み治療における鉄則なんです。
・痛み(急性痛)は警告信号としての役割を持つ
・痛みにより危険から逃れようとする機能が備わっている
・原因が排除された後の痛み(慢性痛)は不要である
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