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「痛み」と「かゆみ」の境目は?

かゆみが強くなると、それを「かゆい」と表現してよいのか「いたい」と表現して良いのかわからないことはないでしょうか?それは、かゆみを伝える神経が痛みを伝える神経と同じだからこそ起こる現象です。

かゆみを伝える神経は、痛みを伝える神経と同じC繊維です。C繊維がどのように「かゆみ」と「痛み」を区別して伝えているのかに関してはいくつかの説があります。一つは、神経線維がどのような頻度で興奮しているかの違いで感覚が異なるという「パターン説」です。

坐骨神経痛や正中神経のような末梢神経はたくさんの神経線維が束になっていますが、その中に存在するC繊維が不規則でまばらに興奮すると「かゆみ」に、短い間隔で同時にC繊維が興奮すると「痛み」として感じられるという説です。

他方、C繊維の中でも、かゆみだけに反応するC繊維が存在するという説もあります。これを「特異的受容器説」と呼んでいます。かゆみのみを伝える神経はC繊維の14%あるといわれ、痛みを伝えるC繊維と比べると伝導速度が遅く、かゆみの範囲が広いのが特徴とされています。

一方、オピオイドは痛みを抑制する物質として知られていますが、かゆみでは逆に助長することが知られています。ただし、オピオイドにはいくつかの種類があるため、すべてのオピオイドがかゆみを起こすわけでは無く、中枢神経にあるu受容体を刺激するとかゆみが、k受容体を刺激するとかゆみの抑制が起こります。

このようにオピオイドによって起こるかゆみを中枢性のかゆみと呼びます。

痛みとかゆみは同じ神経(C繊維)が伝える

神経の発火頻度の違いが、「痛み」か「かゆみ」を決める

痛みとかゆみではオピオイドに対する反応性は異なる





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