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神経が障害されると大変なことに!!

有髄繊維(Aβ、Aδ繊維)はミエリン鞘というコイルに巻かれています。これが何らかの理由(外傷・腫瘍・炎症など)により傷つくと、ミエリン鞘が脱落し、神経線維(軸索)がむき出しになる脱髄が起こります。

しかし、脱髄が起きた軸索には神経の興奮を伝えるナトリウムチャネルが非常に少ないため、正常に神経伝導が出来なくなります。

一方、脱髄が長く続くと、軸索が細くなり、新たなナトリウムチャネルがたくさん発現するため、逆に神経が興奮しやすくなり、自発的に異常発火(異所性発火)を起こし、痛みになると考えられいます。

また、別の機序もあります。神経はもともとミエリン鞘により電気が漏れないように絶縁されていますが、神経損傷部分は絶縁がはげた状態(ミエリン鞘がない状態)となっているため、漏れた電流が周りの神経まで刺激してしまいます(エファプス)。

そして、この漏れた電流が周囲にある痛みを伝える神経を刺激すると、神経が興奮して痛みを起こすと考えられています。このように、エフェプスが起こると、本来興奮していない痛みの神経を興奮させるため、痛みが起こります。


触っただけでも痛みが起こるアロディニアは、神経が障害されたことで、関係のない周りを神経を刺激してしまうため(※エファプス)、本来触覚だけを伝える神経が興奮しただけにも関わらず、その周囲にある痛みに関係する神経までも興奮させ、痛みを起こすものと考えられています。

※神経損傷部から漏れた電流が、周りの神経を刺激する現象で、いわば漏電と同じ。他の神経の情報と混戦を起こすことで情報交換をしているようにもみえるため、クロストークと呼ぶこともある。

神経線維が障害を受けると痛みが生じる

脱髄を起こすと軸索が細くなり異常興奮しやすくなる

損傷部分により漏れた電流が他の神経を刺激し痛みが起こる





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