神経が再生されるとき、なぜ痛みが起こるのか?
神経障害を受けてしばらく経つと再生が始まります。脳や脊髄が障害されると再生は難しいとされていますが、電線の役割をしている末梢神経が障害された場合は再生が可能です。再生は神経が切れた端の脊髄側(中枢側)から新しい神経の枝が伸びてきます。(発芽)。一方、神経を取り巻いていたミエリン鞘(神経鞘)は活発に分裂・増殖し、元にあった神経上に沿って一列に並び管を形成します。
そして発芽した神経の管の中を通り、末梢方向へ神経が再生します。このように神経が再生されるのです。
しかしながら、障害を受けた範囲が大きかったり、神経再生を妨げるような障害物(瘢痕)などが存在すると、神経が正常に伸びることが出来ず、神経線維の集まりである神経腫が出来ます。
神経種はとても過敏で軽度の刺激で痛みを起こします。また発芽した神経線維やDRGの細胞体には、交感神経の受容体が出現することがあるため、交感神経の活動に伴って痛みが出ることもあります。
一方、正常時、神経線維の発火は受容器の興奮により起きますが、発芽した神経線維は繊維の途中からでも発火するため、あちこちで異常発火が見られます。
また、神経を再生するため、DRGにある細胞体では様々な物質が作られ末端へ大量に送られます。しかし、損傷している末端ではこれらの物質をすべて使うことが出来ず、発芽した繊維の先端に溜り、それが神経を発火させる原因となります。
このように神経再生時には、外部からの刺激なしで神経が発火し、痛みを引き起こします。
・神経線維が再生する過程で痛みが生じることがある
・発芽した神経線維は、神経の途中で異常発火を引き起こしたり、神経再生のために作られた物質が痛みを引き起こすことがある
お問い合わせをお待ちしております。 →メールでのお問い合わせ