痛みという言葉の多様性
「痛み」という言葉は、たくさんの種類に分けることが出来ます。例えば、時間を軸に考えると急性期痛と慢性期痛があり、質から考えると一次痛と二次痛があります。また、画鋲を踏んだりナイフで指を切るなど、機械的な刺激により起こる痛みもあれば、熱いものや冷たいものに触れた時に痛いと感じる温度刺激、唐辛子のように辛い物を食べた時に舌が痛いと感じる化学刺激もあります。
さらに、皮膚が切れた時の皮膚痛、神経が障害されたときの神経痛、筋損傷を起こしたときの筋肉痛、お腹が痛いときの内臓痛、骨が折れた時の骨痛など、痛みが起こる場所で名前も異なります。
また、痛みの原因により炎症などに伴う痛みを侵害受容器性疼痛、神経の障害に伴う痛みを神経障害性疼痛、心理的な痛みを心因性疼痛と分類することもあります。
このように一言で「痛み」といっても、どの部分のどの状態を指しているかは明確ではありません。しかし、患者さんはすべての状態を「痛い」と一言で表現します。
なぜ痛いのか、どのくらい痛いのか、また、どんな種類の痛みなのかを、治療者が正確に把握しなければなりません。
痛みを取り扱う場合には、単純にいたいという言葉で済ませるのではなく、その状況を冷静に判断し、患者さんから有益となる情報を集め、分析しなければなりません。
・痛みは一言ではまとめられない
・痛みという言葉には時間的要因や質的要因などが含まれている
・痛みがある場合、痛みの意味を正確に理解する必要がある
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