2種類ある痛みの感覚
痛みを分析すると大きく二つの感覚に分類することが出来ます。指を切ったような皮膚の痛みや神経が障害されたときの痛みは、「ピリピリ」などと表現され、鋭く痛い場所がはっきりわかるのが特徴です。一方、筋肉や内臓の痛みは、「重だるい」などと表現され、鈍く痛みの場所がそれほど明確でないのが特徴です。専門的には前者の痛みを一次痛、後者の痛みを二次痛と呼んでいます。
この違いは身体を守る脳の気持ちになればよくわかります。皮膚は常に外界から刺激を受ける可能性がある一番危険な場所です。皮膚は常に外界の危険から身を守る外壁であり、危害の恐れがあれば素早く的確に伝えねばなりません。
また、神経も障害されればすべての情報が脳へ伝わらず、被害が拡大してしまうため身体にとっては大切な場所です。一方、筋肉や内臓ももちろん大切な場所ですが、皮膚に覆われているため、外界から直接障害を受ける可能性は少なく、防御態勢の緊急度は皮膚ほど高くありません。
そのため、皮膚や神経の痛みは鋭く、内臓や筋肉の痛みは鈍いのだと考えられます。なお、一般的に皮膚を切った時は、ピリピリした一次痛だけでなく、その後に重だるい二次痛が見られるのが一般的です。
それぞれの痛みには意味があり、前者はAδ繊維が関与する痛みで危険から素早く逃れる意味が、後者はC繊維が関与する痛みでこれ以上損傷が起こらないように防護する意味があるといわれています。
このように、痛みはそれぞれ意味があるため、正しく理解することが大切になります。
・一次痛は鋭く、痛い場所がはっきりわかる
・二次痛は鈍く、痛い場所が曖昧である
・皮膚が損傷を受けると一次痛と二次痛の両方が生じる
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