痛みの原因で様相は大きく異なる!
痛みを原因の視点で見てみましょう。痛みの原因には、組織の損傷・炎症、神経損傷、心理的要因など様々なものがあります。急性痛では、痛みは警告信号なので、どこで痛みが起こっているのかを突き止めて改善することが必要です。そのため、痛みを原因で分類するよりも、筋肉痛のようにどの器官に痛みがあるか部位で分類することが一般的です。しかし慢性痛では痛みが起きている部位が不明確なことも多いため、部位で分類するよりも原因で分類します。
まず、組織の損傷や炎症に伴い発現した物質によって起こる痛みは侵害受容器(慢性)疼痛と呼ばれ、損傷や炎症が治まらないものや、治ったにもかかわらず痛みが続くものも含みます。
一方、損傷の中でも神経に限局したものを神経障害性疼痛と呼んでいます。神経障害性疼痛は神経の損傷以外にも、機能異常が起こることもあり、神経に関連して起こる痛み全般をいいます。
最後に、侵害受容性(慢性)疼痛でも、神経障害性疼痛でも説明できない痛みが心因性疼痛と呼ばれます。
心因性疼痛は、説明しうる損傷や炎症などの病変がないにもかかわらず訴える痛み、または損傷や炎症は認められてもその痛みを十分に説明することが出来ない痛みと言われており、心因的なファクターが大きく関与していると考えられています。
痛みの原因によって、それぞれ痛みの発生機序や治療法は大きく異なります。そのため、痛みを起こしている原因を理解することが、今後の治療方針や予後を考えるうえで大切です。
・急性痛は痛みの原因で分類するより障害の起こった部位で分類することが多い
・慢性痛は痛みの原因で分類する
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