組織損傷や炎症に伴う慢性痛とは?
侵害受容器が何らかの原因で興奮することで痛みを生じたものを侵害受容性疼痛と呼んでいます。この場合、原因が取り除かれれば痛みが消失することもあるので、急性痛に分類することも出来ます。しかし、関節リウマチのように、痛みの原因となる炎症があったとしても、その原因を治癒させるのは難しく、結果的に炎症が慢性化することもあります。また、術後疼痛のように原因が治癒した後でも痛みが続くこともあります。
そのため、侵害受容性疼痛はその様相から侵害受容性疼痛と侵害受容性慢性疼痛の二つに区別しています。侵害受容性慢性疼痛には、痛みの原因は明確であってもそれを取り除くことが出来ない痛みが多く含まれています。
この場合は、発症からの時間経過だけでなく、痛みの原因がどのようなものであるかも慢性痛かどうかを判断する上でとても重要な所見となります。
侵害受容性慢性疼痛には、腰痛・頚部痛・ひざ痛などの運動器疾患、関節リウマチ、頭痛(片頭痛、緊張型頭痛)、術後疼痛、筋・筋膜性疼痛症候群など様々なものが含まれます。
運動器疾患に伴う痛みや関節リウマチは原因そのものを治癒することが困難で痛みが慢性化することが多く、また、筋・筋膜性疼痛は原因を見つける事が難しいために慢性化しやすいとうい特徴があります。
なお、いずれの場合でも、痛みの慢性化には交感神経系の亢進による痛みの悪循環が大きく関与しているとされており、痛みの様相や治療法は急性期と大きく異なります。
・侵害受容性慢性疼痛は、急性痛が長引いて慢性痛になることが多い
・侵害受容性慢性疼痛は、病態が急性期の延長であったとしても、その様相は大きく異なる
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