治すのではなく「勝手に治る」とイメージする
手に切り傷が出来た時に、あなたは「さあ、これから治すぞ」と思いますか?そんなことありませんよね。身体はあなたが頼まなくても勝手に、自分自身を修復する方向に働き始めます。
同じことは、肩こりや腰痛などにも当てはまります。ぎっくり腰で直角に曲げて来院される方でも、五十肩で腕が回らなくなっている方でも、構造上正しい位置にセットして差し上げれば勝手に治っていき、正常に動かせるようになります。
もっとも、1回の施術で必ず正常な位置に落ち着くとは限りません。ひどい状態が長かった方は、5回、6回とかかることも多いです。でも、間違いなく改善します。
治療家の僕が行っていることは、痛みを消す事でもなく、苦痛を和らげることでもなく、ただ解剖学的に正しい位置に落ち着くように施術するだけです。それだけで勝手に痛みが消え、苦痛が無くなり、曲がった腰が真っ直ぐになり、上がらなかった腕が上がるようになります。
それは何を意味するのでしょうか?
身体には治る力があるということです。
自分で治れる位置まで誘導してあげれば、勝手に良くなり始めます。その治る力を引き出すために施術家がいるだけの事です。僕自身もぎっくり腰になった時に「体って、「なぜ動けなくなったりするんだろう・・・」と情けなく思ったものです。
今だからわかるのですが、それは「自然治癒力が働けないほどに参っていますよ、休んでください」という体からのサインだったのです。だから、体に痛みが出たときは、気づかずに無理をかけていたサインだと思って、体が治りやすい環境、自然治癒力が高まる環境を整えてあげましょう。
もちろん、自然治癒力が高まる環境とは、体液循環がいい状態の事です。今まで苦しい箇所にばかり意、識が行って「体液を流す」ということを考えなさ過ぎたのかもしれません。
ここからは、リンパ液、脳脊髄液、血液の順に、流れを良くするためのポイント、いわば「マンホール」にあたる部分を紹介していきます。
リンパが流れるためのポイントは3か所です。
①鎖骨
ここでいう「鎖骨」とは、胸骨と鎖骨をつなぐ「胸鎖関節」の部分を指します。
ここは胸管という太いリンパ管に向かう場所なので、とても大切です。右側には右胸部、右腹部からのリンパが注ぎ込み、左側にはそれ以外の全身のリンパが注ぎ込んできます。
そして静脈に混ざって心臓に戻っていくのです。だから左側には、全身の70%のリンパが流れ込むと思っていただいてよいです。ここの流れがわるいと、たとえ②に脇に下や③鼠径部の流れを良くしても、最終的にリンパが流れ切らないということがおこりますので、非常に重要です。
②脇の下
いわゆる「振り袖」を何とかしたい女性にとっては気になる部分ですよね。脇の下には腕神経叢という腕に行く神経の束が通ります。さらに腕と体幹を行き来する血管やリンパ管もここを通ります。
モデルさんがノースリーブで登場すると二の腕がすらっと細いです。健康な方は、脇の下がスッキリしてえぐったようにくぼんでいます。この脇の下につきたてのお餅があるようだと、ここを通る血管やリンパ管は圧迫されて充分機能しなくなります。
③鼠径部
いわゆる「パンツのゴム」の線上で、恥骨の出っ張りのふもとを触ってみてください。ペコッとした凹みがあります。ここが大腿三角といわれるところです。ここには下肢と腹部を行き来する血管・リンパ管・神経が通っています。
ここが圧迫されたりゆがんで窮屈になると、下半身の血流やリンパの流れが悪くなります。健康なら、この大腿三角のところは「ペコッ」としています。もしここが膨らんでいたり固くなっていたら、血管やリンパ管が押しつぶされた状態だといっていいでしょう。
でも安心して下さい。モゾモゾ体操で改善することが出来ます。
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